2012年02月23日

砂を噛む者共01

焼酎をひっかけながら競馬新聞を広げていたタケシが叫んだ。
「おう!やっと出てきましたよ!」
糖尿病のためウーロン茶で我慢しているエージが顔を上げる。
肉野菜炒めの肉を除けてモヤシだけ啄ばんでいたのだ。
「え、何が?」
タケシのギョロ目に光が宿る。
「サウンドガガですよ!」

サウンドガガ 牝3歳
父Roman Rulerの外国産馬
芝のデビュー戦は6着に敗れたもののダートに矛先を変えた2戦目で勝ち上がる。

タケシが唾を飛ばしながら熱弁する。
「この馬が勝った前走は”伝説の未勝利戦”なんです!」
モヤシを平らげきったエージが皿に残った肉を恨めしそうに見ながら尋ねる。
「伝説の未勝利戦って何?」
「よくぞ聞いてくれました!」
聞けよと言わんばかりのフリなんだからそりゃ聞くよ、とエージは心の中で突っ込む。
「つまりですね…」
エージの無言のツッコミを、当然ながら全く無視してタケシが続ける。
「このレースでサウンドガガに負けた馬達はみんな、次のレースで勝ってるんです。」

サウンドガガが勝った未勝利戦の
2着メイショウゾンビ
3着グランプリブルー
5着ユリオプスデイジー
6着メイショウフォロー
以上の4頭は次走の未勝利戦で悉く勝ち上がっている。
実はこのレース、6着メイショウフォローと7着馬の間には4馬身の差があった。
タイム差でみると
1着〜2着 タイム差0.0秒
2着〜3着 タイム差0.7秒
3着〜6着 タイム差0.1秒
6着〜7着 タイム差0.7秒
となっており、勝馬と2着馬には離されたものの0.8秒差以内に踏ん張った馬達は4着馬を除いて全て次走で未勝利を脱しているのだ。

「そこそこの差で負けた馬達が次走勝ち上がったってことは、このレースのレベルの高さを証明してるんですよ。」
「なるほど。」
「だから、サウンドガガは昇級戦でも負けちゃいけないんです!」
「…え?」
エージは戸惑う。
レベルの高い未勝利戦を勝ったことイコール昇級戦を勝てることの根拠って、何だ?
「だって、サウンドガガは自らを含め5勝を背負ってるんですから!」
タケシが声高に宣言する。
「ひとつ勝った馬と5つ勝った馬じゃ、どっちが強いかなんて明白じゃないですか!」
「確かに…」
と肯いてはみたものの、実はエージにはタケシの”超算数”が腑に落ちない。
「実を言うとですね、」
タケシはジョッキの底に残った焼酎を飲み干して言った。
「この”伝説の未勝利戦”の4着馬の次走で、俺、メイチ勝負したんですよ。」

その4着馬はエイシンピューマ
次走1番人気に推されるも僅差の2着に敗れる

「サウンドガガには、その借りも返してもらいたいんですよね。」
タケシのギョロ目が一段と光った。まるでレーザービームのように。

と云うことで…
タケシによって”己が負かした馬達のその後の活躍”という謎のハンデを勝手に背負わされたサウンドガガは、目に見えない斤量に打ち勝つことができるだろうか?
2月26日阪神6Rにご注目ください!
posted by mitokondoria at 22:41| Comment(0) | TrackBack(0) | プロレス系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。